映画『SISU/シス 復讐の血闘』感想|前作超えの暴れっぷり!このじぃじ、敵に回したら終わりです(笑)
1. 前作以上に最高だろ、このおっさん!!いや、じぃじ?
いやぁ、最高だろ、このおっさん!!
いや、もう「じぃじ」と呼んだほうがいいのかもしれない(笑)。
『SISU/シス 復讐の血闘』は、あの『SISU/シス 不死身の男』の続編。
前作で、撃たれても、爆発に巻き込まれても、何があってもなかなか死なないという、とんでもない主人公を見せつけられたわけだけど、今回はさらにヤバい。
何がヤバいって、アアタミ・コルピの復讐心がヤバすぎる!!
今回は、ただ敵に襲われて反撃するという話じゃない。
自分の家族を殺した相手が、はっきりと目の前に現れる。
しかも、そいつはイェゴール・ドラグノフ。アアタミの家族を殺害した張本人だ。
アアタミは、かつて家族と暮らしていた家を解体し、安全な場所へ移して建て直そうとしている。ところが、そこに因縁の相手が現れたことで、事態は一気に動き出す。
前作と今回の違いを簡単に言うなら、前作は金塊を狙う敵に追われながら、アアタミが次々と敵をぶっ倒していく映画。
今回は、家族を殺した相手に、自分からケリをつけにいく復讐劇なんだよね。
もちろん、敵が黙ってやられるはずもない。
というわけで、今回もとんでもないことになる。
いや、なるに決まってるだろ(笑)。
だって、相手はあのアアタミですよ?
普通の人間なら、敵が大勢いる時点で逃げることを考える。でも、このじぃじは違う。
敵が来る。
じゃあ、やる。
また敵が来る。
じゃあ、またやる。
この人、話し合いという選択肢をどこかに置いてきたんだろうか(笑)。
もちろん、本人はいたって真面目。ふざけているわけでも、暴れること自体を楽しんでいるわけでもない。
家族を殺された。その相手が目の前にいる。
もう、それだけなんだろうね。
このシンプルさが、たまらなくいい。
2. 復讐心が異常!何年経っても家族の仇を忘れない男
普通、復讐映画といえば、家族を殺された主人公が怒りに燃え、敵を追い詰めていく物語が多い。
もちろん、この映画も基本的にはそうだ。
でも、アアタミの場合は、ちょっと次元が違う。
「お前だけは絶対に逃がさん」
という執念が、とにかくすごい。
何年経とうが忘れない。逃げようが、隠れようが関係ない。
家族を殺した相手に対する怒りが、心の奥底でずっと燃え続けている。
いや、普通なら少しくらい薄れるだろ!
……と思うけど、この男にはそんな様子がまったくない。
なんなら、怒りが熟成されているんじゃないかというレベルだ(笑)。
ここが前作との大きな違いだと思う。
前作では、敵がアアタミの金塊を奪おうとする。アアタミはそれを守るために戦う。もちろん、そこにも怒りや意地がある。
でも今回は、もっと個人的で、もっと深い。
自分の家族を奪った人間が、目の前にいる。
しかも、その相手は自分の過去に決定的な傷を残した張本人だ。
だから、ただ邪魔な敵を倒しているわけじゃない。
アアタミにとっては、長い間終わらなかった戦いに決着をつけるための時間なんだと思う。
この男、家を解体して新しい場所へ移そうとしているんだよね。
家というのは、単なる建物じゃない。そこで家族と暮らした記憶がある。
その家をもう一度建て直そうとする行為には、失われたものを守り直したいという気持ちも感じられる。
ところが、その過去を壊した相手が再び現れる。
そりゃあ、黙っていられるわけがない。
もちろん、現実の復讐がこんなふうに単純に片づくわけではないし、暴力で失った家族が戻ってくるわけでもない。
それでも映画の中では、アアタミが戦う理由がはっきりしている。
だから観ているこちらも、つい心の中で叫んでしまう。
「アアタミ、やっちまえ!!」
もう、これしかない(笑)。
3. 撃たれても死なない!このじぃじ、生命力がバグっている
そして、忘れちゃいけないのが、アアタミの不死身っぷり。
いや、本当にどうなってるんだよ、この人。
撃たれる。殴られる。追い詰められる。
普通なら、どこかで動けなくなってもおかしくない。
ところがアアタミは、なかなか死なない。
死なないというより、そもそも「死ぬ」がストーリーの選択肢に入っていない(笑)。
「なんでまだ生きてるんだよ!」
敵の気持ちになったら、たぶんこれだと思う。
しかも、ただ耐えているだけじゃない。どうやってそこから反撃するんだという状況でも、しぶとく生き残り、敵を追い詰めていく。
前作を観た人なら、この男の異常な生命力は知っているはず。
でも、続編だからといって、こちらが慣れてしまうわけでもない。
むしろ「今回は何をやらかすんだ?」と期待してしまう。
この映画の面白さは、アクションのリアリティーを細かく考えるよりも、次にどんな無茶を見せてくれるのかを楽しむところにある。
いや、リアリティーを求める映画じゃないよね、これは。
「そんなの無理だろ!」と思ったら、アアタミが何とかしてしまう。
この一点突破である。
もちろん、アクションの好みは人それぞれだ。現実的な戦闘や、緻密な心理戦を求める人には、やりすぎに感じる場面もあると思う。
でも、こちらが観たいのは、そういうことじゃない。
不死身のじぃじが、敵を相手にどこまでやってくれるのか。
そして、どこまでこちらの予想を裏切ってくれるのか。
そこを期待して観る映画なんだよね。
主人公が年齢を重ねた男だからこそ、なおさら面白い。
若い主人公が走り回るのとは違う。人生経験を積んだ男が、黙々と敵をぶっ倒していく。
しかも、余計なことをあまりしゃべらない。
この無口なじぃじが、やるときは徹底的にやる。
いやぁ、カッコいいじゃないか!
4. 小難しい話はいらない!「敵が来た、じゃあ殺す」の潔さ
このシリーズを観ていて思うのは、ストーリーがとにかくシンプルだということ。
もちろん、家族を失った過去や、アアタミとドラグノフの因縁は物語の大事な部分だ。
でも、映画の楽しさの中心にあるのは、複雑な謎解きでも、長々とした心理戦でもない。
敵が来る。
↓
アアタミが戦う。
↓
また敵が来る。
↓
じゃあ、また戦う。
……いや、シンプルすぎるだろ(笑)。
でも、それがいい。
普通の復讐映画なら、主人公が苦悩したり、復讐するべきか悩んだり、敵との心理戦が続いたりすることもある。
もちろん、そういう作品も好きだ。
ただ、『SISU』シリーズは、そうした部分を必要以上に引き延ばさない。
家族を殺した相手がいる。
アアタミはそいつを許さない。
だったら、あとは行動あるのみ。
「アアタミ、やっちまえ!」と、こちらも迷いなく応援できる。
しかも、ただ同じようなアクションを繰り返しているわけではない。
追走劇の中で、次々と状況が変わり、敵の攻撃もエスカレートしていく。そこをアアタミがどう切り抜けるのかが見どころになっている。
「今度はどうやって生き残るんだ?」
そんな気持ちで観ていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
難しいことを考えず、目の前で繰り広げられるアクションに身を任せる。
こういう映画も必要なんだよね。
映画はすべてが深いテーマを持っていなければいけないわけじゃないし、すべての作品で人生について考えさせられたいわけでもない。
たまには、理屈抜きで「やっちまえ!」と叫びたくなる映画があってもいい。
いや、むしろ、こういう映画が観たい日もある(笑)。
5. これぞSISU!復讐心を燃料に走り続ける不死身のじぃじ
ところで、タイトルにもなっている「SISU(シス)」という言葉。
フィンランドで大切にされてきた考え方で、困難な状況でもあきらめずに立ち向かう、不屈の精神や粘り強さを表す言葉として知られている。
単なる根性というより、もう無理だと思える状況でも、内側から力を振り絞って前へ進むような感覚だ。
そう考えると、アアタミという男は、まさにSISUそのものなのかもしれない。
ただし、この映画のアアタミは、困難に負けないだけじゃない。
復讐心を燃料にして、どこまでも前進してしまう男なのだ。
普通なら、長い年月の中で怒りが薄れることもあるだろう。
人生には、忘れたほうが楽になることだってある。
でも、アアタミにとって家族を殺された記憶は、そう簡単に手放せるものではない。
その怒りが、彼を動かし続けている。
ただ、ここは少し複雑なところでもある。
復讐をやり遂げたとしても、失った家族が戻ってくるわけではない。どれだけ敵を倒しても、過去そのものをなかったことにはできない。
だからこそ、アアタミの姿には、単なる強さだけではなく、悲しさも感じる。
それでも、この映画は復讐の虚しさを延々と語る作品ではない。
観客が考え込む前に、また次のアクションが始まる。
「おいおい、今度は何をするんだよ!」
そうやって楽しんでいるうちに、気づけばアアタミを応援している。
これが『SISU』シリーズのうまいところだと思う。
重たい理由を背負った主人公なのに、観ていると妙に痛快。
その一方で、敵の立場を考えると、もう気の毒になってくる。
だって、家族を殺した相手がアアタミだったら……ではなく、アアタミの家族を殺した相手になってしまったら、もう逃げ切れる気がしない(笑)。
前作を楽しめた人なら、今回も期待を裏切らない不死身っぷりと、さらに明確になった復讐劇を楽しめると思う。
派手なアクションが好きな人、とにかくスカッとする映画が観たい人、そして年齢を重ねた主人公が大暴れする映画が好きな人にもおすすめしたい。
最後にひとつ。
この映画を観て、あらためて思った。
敵の立場には、絶対になりたくない。
アアタミに目をつけられたら、たぶん終わりです(笑)。

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